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カウンセラーより

プロフィール

 平成26年3月、25年間務めた高等学校教諭(国語)を早期退職しました。そして、平成27年11月、「心理面接室TAO」~「私」の人生を生きる~を開室することになりました。   
 ここまで、本当に長くて険しい道のりでした。私自身、自分はどう生きたいのかと問い続け、ようやく「私」の人生を歩み始めることができると感じているところです。
 自分を大切にすること、自分自身が納得できるように生きることが難しくなっている今、お一人でも多くの方が、本来の自分を取り戻し、ご自分の可能性を十全に発揮しながら、心豊かに生きることができるよう願っています。私自身もそのような歩みを心掛けながら、あなたの人生の伴走者となれたらと思っています。

カウンセラー 藤坂圭子

●学歴

昭和62年 岡山大学文学部文学科(国語・国文学)卒業
平成 元年 岡山大学大学院文学研修科(国文学)修了
平成15年 岡山大学大学院教育学研究科(教育臨床)修了

●職歴等

・臨床心理士(平成18年4月取得、臨床心理士番号15032)
・もと岡山県高等学校教諭(平成元年4月~平成26年3月)
(児島高等学校、玉野光南高等学校、岡山城東高等学校、
 岡山県教育センター、岡山東商業高等学校、岡山後楽館高等学校、
 岡山県高等学校教育研究会教育相談部会幹事等)
・岡山市スクールカウンセラー
・岡山学院大学・短期大学カウンセラー
・岡山いのちの電話スーパーヴァイザー
・チャイルドラインおかやまスーパーヴァイザー

●所属学会等

・IPP(インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー)
 (富士見ユキオ先生・岸原千雅子先生に師事)
・日本心理臨床学会
・日本箱庭療法学会
・日本トランスパーソナル学会
・日本臨床心理士会
・岡山県臨床心理士会

カウンセラーのプロセス

●カウンセリングとの出会い

 私は平成元年、岡山県立高等学校教諭(国語)として採用され、25年間勤めました。採用2年目、しんどい思いをしている生徒たちの役に立つためにはもっと「心」を勉強しなければダメだと思い、カウンセリングの勉強を始めたのです。
 C.ロジャーズ(1902~1987)のカウンセリング理論に基づくカウンセリング演習や、ベーシック・エンカウンター・グループが主でした。他にも、フォーカシング、サイコドラマ、箱庭療法、自立訓練法、事例研究等、様々なワークショップに参加しました。岡山県教育センター、日本カウンセリング協会岡山支部、岡山事例研究会、人間関係研究会、フォーカシングセミナー等、たくさんの研究会や先生方にお世話になりました。目からウロコの体験の連続で、人の心の奥深さ、人と人がつながることの素晴らしさ、未知の自分に気付く瞬間の奇跡などを体感しました。
 自分自身の内面にも深く入り、混沌とした自分に向き合いました。月1度ほど、宿泊を伴うエンカウンターグループに参加し、教育カウンセリング(心理の専門家を目指す人が、自分の心的傾向や葛藤に気づくためのカウンセリング)も受けました。私のテーマは主に、自分の中の母親イメージでした。それまで全く気付かなかった自分の内面を明らかにするにつれ、随分と心が軽くなり、「生きやすくなった!」と実感したものです。家を出て自立しました。学校では生徒や保護者の方々とも関係が作りやすくなり、校内の教育相談係としてもたくさんの貴重な体験をしました。
 平成15年、夜間大学院の岡山大学大学院教育学研究科を修了(修士論文「『今ここでの現象世界』に焦点を当てたカウンセリング過程の検討」)。教育臨床のあり方、一般心理学や精神分析理論、心理臨床の基本などを学びました。そして、平成18年には臨床心理士の資格を取得しました。 日本心理臨床学会、日本箱庭療法学会、臨床心理士会などの研修会にも、度々参加しています。

●プロセスワークとの出会い

 しかし、新たな葛藤が始まりました。中年期の「アイデンティティの危機」です。
 資格取得後は退職して心理カウンセラーを職としたいと思っていたのですが、なかなか生活のメドが立ちませんし、不安はぬぐえません。校内ではずっと教育相談の仕事をさせてもらっていたものの、やはり学校では個人の内面に深く入るカウンセリングはしにくいものです。しかも、学校現場は困難に満ちていて様々な業務に忙殺されます。教員生活では数々の感動をもらいましたが、やりたいことができず鬱々、悶々とする日々が続きました。
 平成21年、富士見ユキオ・岸原千雅子ご夫妻に出会いました。ミンデルが創始したプロセスワークの、日本の第一人者です。それまでの様々な研修会で出会った人たちとの「芋蔓式」のご縁からでした。初めてプロセスワークのセミナーに参加したとき、「これだ!」と思いました。その深くて神秘的な人間観、宇宙観に引きつけられたのです。以来、東京のセミナーに通い続けています。A.ミンデル博士のワークショップにも参加しました。
 富士見先生たちのセミナーでは、プロセスワークの理論だけでなく、心理療法の実践についても詳しく学んでいます。病態水準の識別について、またそれぞれの疾患(神経症、摂食障害、うつ、躁うつ、パーソナリティー障害、統合失調症など)の心のメカニズムの相違と、それに応じた適切なカウンセリングの手法についてです。全国から、心理の専門家ばかりでなく多くの精神科医や心療内科医、アーティストも勉強に来ています。
 私自身の人生もここで問い直そうと思い、平成23年から富士見先生のカウンセリングを受け始めました。そして、私を縛っているのは環境でも経済的状況でもない、それはただ自分自身の内面に巣喰っているのだということを思い知らされました。それは「根拠のない不安」とでも言うべきものでした。「自由」の反対は「不安」です。
 カウンセリングでは数々の劇的な体験をしました。私は何度も「タオ」に還り、「死と再生」を繰り返しながら、3年目にやっと退職・開業の決意に至りました。自分で自分を自由にすることができたのです。ここまで血を吐くような苦しいプロセスでした。カウンセリング料金は50分2万円(+税)でした。自分の人生へのよき投資だったと思っています。

●「岡山いのちの電話」「チャイルドラインおかやま」のスーパーヴァイザーとして

 「岡山いのちの電話」、「岡山チャイルドライン」のスーパーヴァイザーとしても、非常に貴重な経験を積ませていただいています。相談員さんたちの養成講座や研修講座を担当していますが、ボランティアでありながら、少しでも電話の向こうの方の役に立ちたいと、大切な時間を割いて真剣に研修に臨む相談員さんたちの姿には本当に頭が下がります。また、電話の向こうの、表には出ない市民のみなさまの苦しみの声からも、たくさんのことを学ばせてもらっています。
 現在の日本には、様々な困難に流されて、自分というものを捜しあぐねて右往左往し、不全感を抱えたまま過ごしている人がかなり多くいらっしゃいます。が、人々の「心」への関心は、水面下ではかなり高まっていると実感しています。

●感謝!

 ここまで、長々とした文章を読んでくださって、ありがとうございます!
 こうして、「心理面接室TAO」~「私」の人生を生きる~の開室の運びとなりました。まだまだ未熟で不安もいっぱいの私ですが、今まで出会った全ての方々から学んだことを生かし、お一人でも多くの方が自分を取り戻し、さらに生き方の幅を広げていけるよう、微力ながらお手伝いをしたいと思っています。
 私をここまで導いてくださった先生方へ、心からの感謝を申し上げます。
 
IPP(インスティテュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー)
:富士見ユキオ先生・岸原千雅子先生  
就実大学大学院教授:山本力先生
岡山大学大学院教授:塚本千秋先生
沢田の杖塾主宰:森口章先生
岡山いのちの電話スーパーヴァイザー部長:山口修先生
臨床心理士:安原こずえ先生
吉備国際大学教授:藤井和郎先生
兵庫教育大学大学院教授:藤原忠雄先生
九州大学名誉教授:村山正治先生
心理教育研究所赤坂主宰:村山尚子先生
龍谷大学教授:森田喜治先生
関西大学大学院教授:池見陽先生
なかのクリニック院長:中野善行先生
日本カウンセリング協会会長:藤木偉和雄先生

ほかたくさんの先生方、本当にありがとうございました。
2015年11月

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